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やめて、と目で訴えたものの。
寝室からズルズルと毛布を
引っ張ってきた拓海さんは、
ソワソワしながら
テーブルの上にビールを置いた。
そのままソファーに横たわると、
自分の身体と毛布の間を
ポンポンしながらあたしを見上げる。
……怖くて気持ち悪い
映画はごめんだ。
でも、あそこで
ごろごろするのはすごく、
魅惑的。
恐怖との葛藤は短かった。
抱っこしてくれるなら
付き合ってもいいかな、
と思えてしまった。
好きな人の体温に弱いあたしには、
些細なトラウマなど
何ともないのだ。
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