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「面白いとか
面白くないとかじゃなくて……
凄かった……」
零れる涙を慌てて拭いながら
拓海さんを見上げると、
彼は驚いたように眉を上げた。
「え、何泣いてんだ」
「え、だって。
あんなの凄いよ。普通じゃないよ」
“ハンニバル”のラストが
凄絶すぎて、
まるで子どもみたいな感想しか
出てこなかった。
「老いてもドクター・レクターだからな」
拓海さんの言葉に、うんと頷いた。
ふたつの映画は、
一応サイコ・スリラー
(ちょっとホラー)という
ジャンルになっている。
だけどこれは──
これは、あたしには
異常な恋愛映画だと思えた。
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