ホワイトデーの夜に…

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その日の夕方5時過ぎのことであった… お仕事を終えて帰宅途中のたっくんは、いよてつタカシマヤのホワイトデーギフトのコーナーに立ち寄っていた… たっくんは、アタシのホワイトデープレゼントをどれにしようか迷っていた… お返しのチョコレートやキャンディの詰め合わせセットやハンカチなどのおしゃれな小物からかわいいショーツまで… より取りみどりの商品が陳列棚に並べられていたので、どれにしようかなとたっくんは迷っていた… 結局、たっくんは迷い続けた末にプレゼントを買うことができなかった。 3月13日の朝7時頃、ふたりはいつもの食卓にて朝ごはんを食べていた。 アタシは、たっくんに言葉で言うことはできなかったけど、気持ちの中では『明日はホワイトデーなのよ…プレゼントはまだなのかな…友泉、待っているのよ…』と思っていた… たっくんは、朝ごはんを食べた後にジャケットと黒の手提げかばんを持って『行ってくるよ…』と言いまして家を出た… アタシは、いつものように余戸駅へ向かって歩いて行くたっくんの背中を見つめていた… アタシはたっくんの見送り終えた後、鏡の前に座って、着ているブラウスのボタンをふたつはずして、右のくびすじの方を見つめていた。 アタシの右のくびすじに、たっくんがつけたキスマークがくっきりと残っていた… キスマークをみたアタシは、大きくため息をついてから、最後にたっくんとデートをした日のことを思い出していた… 最後にたっくんとデートに行ったのは、バレンタインデーの3日後に双海(伊予市)の海浜公園だった… ふたりで海をながめていた時、たっくんは無防備になっているアタシのうなじを見て、抑えきれなくなったので、アタシに抱きついて、右のくびすじにキスをしていた…
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