第一話 子丑

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「あ~、この男だと 付き合って すぐ振られるでしょ」 「え~っ?だってこの前 こっちがいいって 言ったじゃない!」 「え?そうだっけ?」 「そうだっけ、 じゃないわよ!」 薄茶色がかった灯りの下で、 カードを捲ったユウトは 慌てて気持ちを押し殺した。 「…知るかよ、そんなの。 どれだけ相手を変えれば 気が済むんだか」 狭いバーの隅で、 占いをするユウトは カウンターの中で こちらを見つめる マスターに苦笑いして見せた。
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