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カチン、という金属音がして
煙草に火を点けたマスターは
軽く吸い込むと、夜空に向かい
煙を吐き出した。
「またこのクソ寒い日に
外で寝たくはねえだろう?」
家を飛びだし、
バイトで食いつないできたものの
元々人との付き合いが
苦手な事もあって、
どれもこれも長続きせず、
お決まりの
路上生活になった所を
このマスターに
声をかけられたのだが
今ではそれが最悪だったと
思い知る事になってもいた。
黙りこくったユウトにマスターは
言い放った。
「当たる占い師を連れて来い。
占いバーで金儲けできるんだ」
「連れて、って言ったって、
そんな知り合いなんていな…」
「ゴーストライターってのが、
巷じゃあ話題じゃねえかよ。
頭を使えってんだ」
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