第一話 子丑

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それにどう説明していいか 考えていると、彼は ヨシキの読んでいた本を 興味深そうに覗き込んだ。 「これは何ですか?」 「あ?これ? 今行っている 占いの教室の教科書」 「占い?」 「興味ある?」 「はい。 母方にその筋の者が 多くいますし、 僕も出来ます」 「へえ~」 「その昔はそれ故に 指導者の立場にいたとかで」 「へぇ~すごいんだ。 日本じゃ、 そんな事ありえないよ」 「所変われば、 とか言いますよね」 「日本語うまいね」 そう言われると 彼はちょっと 嬉しそうにして見せた。 初対面でありながら 違和感を感じさせない 彼に心惹かれるものを 感じて、ヨシキは彼を見上げた。
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