KISMET

34/38
29人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
ジェイの唇がゆっくり離れ、私をジッと見つめる。 絡まる熱い視線に蕩けそうになる自分がいた。 「どうして…ここにいるんだ?お前病院で…」 「わかんない…幽体離脱してるみたい…。」 「幽体離脱?」 「私、さっき寝てる自分を見たもん。気持ち悪かった…」 ジェイがぎゅっと抱き締める。 「お前なんで俺なんか庇った?」 な、なんでって… 「それは、ジェイの…事が…」 「そう言えばお前、救急車で…」 救急車での告白を思い出して顔が真っ赤になる。 「もう一回、聞かせろよ。」 ジェイが耳元で囁く。 ぞくっと鳥肌が立った。 恥ずかしさが込み上げてきて、ジェイの腕から逃げようとしても、ジェイは私を離してくれない。 「ほら、早く聞かせろよ。」 私の顔を覗き込んでジェイが吹き出した。 「リンゴみてぇ…」 ジェイが私の頬にチュッとキスをした。 「早く、聞かせろよ。」 ぅ…言えないっ! あの時はもう伝えられないって思ったから…。 でも…もしかしたら、今度は本当に会えなくなるかもしれない…。 でもっ! 恥ずかしいっ!! ジェイの大理石みたいな瞳が私を見つめる。 魔法にかかったみたいに…ジェイの瞳から目をそらせなくなって、私の口が勝手に呟く。 「す…好きです…ジェイの…事が…」 ジェイは少し頬を染めると目を細めて囁く。 「俺も好き。」 胸が撃ち抜かれたみたいに、身体に電流が流れたみたいに、身体の力が抜けそうになる。 ジェイの指が耳に触れ、耳朶を摘まむ。 「なんだかわかんねぇけど、お前に触れた時、雷みたいな電気が走った。」 ジェイの言葉に震えた。 こんな事ってあるの? ジェイが私を好きって…言った。 「私…死んでもいいかも…」
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!