第1章 ~出会い~

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ストーンは人と犬が大好き。 散歩中も他所様の犬を発見すると一目散に駆け寄り、猛アピール。雄雌関係無く。 でも結果、嫌がられるか、怒られる羽目になるのが常で。 端からその様子を見てる私は涙がちょちょぎれそうになる。 今日もそんな結果になるのかとリードを緩めず、白シュナちゃんの様子を窺う。 すると白シュナちゃん、ストーンに近づいてゴロンと仰向けになり、カモーンと言わんばかりの艶かしい格好に。 ストーンも、まさかのカモーンに一瞬躊躇うが、ここぞとばかりにスンスンとニオイを嗅ぐ。 私も、一瞬躊躇うが、ここぞとばかりに有るか無いか確認。 無い。 雌。 女の子。 ヤバイ。発情期かも。 咄嗟にリードを引いてストーンを私の足元に寄せる。 ノーリードの白シュナちゃん。 諦めずにストーンに近づく。 ちょっと、ちょっと、この子のオーナーは何処よ。 と、マンションの玄関に視線を向けると、慌てて駆けてくる人。
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