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数分後、間もなくして俺とリューナは、“奴ら”とようやく遭遇した。ここまで遭遇しなかったのが不思議と思うほどに。
俺達の数十メートル先に奴はいる。リューナと年の変わらない少女に見える、Muderウイルス感染者が。
遠くから見ている分には、武装している俺達の方がよっぽど危険だ。だが、彼女達が俺を見つけた瞬間、それは狂気となって襲い掛かってくる。
このように。
バンッ!
銃声が耳に入ったと同時に俺は横へと跳躍していた。
左胸を狙っていたとされる銃弾は左腕を掠め、背後の壁に突き刺さる。
「ツバサさん、敵は後方約百メートルからの狙撃銃による遠隔射撃と判断できます、です、Da-」
「そこまで分かっているなら対処しろ、リューナ」
「Da-」
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