赤い花

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赤い花

心臓の高鳴りが凄い事になっている。 目の前にジェイがいる! テンションが一気に上がって叫びそう!! 「少し、時間あるか?」 「ジェイ、私もジェイに謝りたい事が…」 「謝る?」 歩き出すジェイに腰を抱かれた。 「濡れんだろ。もっと寄れ。」 相変わらず…なんて言うか…、でも久しぶりに会えたジェイは、やっぱりかっこいい!! 赤いフレームの眼鏡が凄く似合ってて、長身でスタイル良くってモデルみたい。 行き交う人がみんな振り返る。 ジェイに連れられて入った店は薄暗くて、タバコとお酒の匂いが立ち込めるBARだった。 グラスを拭いているバーテンダーがチラリとこちらを見たけど、またグラスを磨きだした。 「お前は酒飲めねーな、ビールとノンアルのカクテルかなんか作ってくれ。」 バーテンダーに告げるとジェイは真剣な顔で私を見つめた。 「で、謝るって…なんだ?」 「あの…私のせいでタナトスを辞める事になってしまって…ごめんなさい!!」 「は?まだお前そんな事言ってんの?だからそれはお前のせいじゃねーってあの時言ったろ?」 「あの時?」 バーテンダーが長いグラスに入ったビールと、パインが刺さったオレンジ色のカクテルをテーブルに置いた。 「…あの時っていつ?」 「お前、覚えてないの?それともまだあれは夢だったとか言うの?」 ジェイがいつの事を話しているのか、どの事を話しているのかわからない…。 「お前に指輪渡しただろ。ま、取り上げられたみてーだけどな。」 「っ!」 ジェイが言ってるのは…あの時の悪魔の話? 「お前の部屋にも行っただろ?」 「嘘…あれは悪魔が…」 「悪魔じゃ…、悪いか?」 「っ?!」
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