第2章 マダム・バタフライの誘惑

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ハイヒールのかかとが 敷き詰められた赤い絨毯に沈むのをぼんやり眺めながら。 僕は彼女の後ろをついて行った。 「まさか、経験がないとは言わせないわよ?」 怪しげな黒い扉の前に着くと。 彼女は僕の首根っこに両手を巻きつけ 熱っぽく言った。 「その色気は――誰かに開発されてるとしか思えない」
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