prologue

2/2
前へ
/433ページ
次へ
あの頃の私。 17歳だった私。 泣いている私。 水門の向こう側で、仲睦まじく手を繋ぐふたりを見ながら、泣いている私ー。 好きだから、諦めたくないと、打ち明けようとした気持ちは、頭上で上がる花火みたいに儚く散った。 初恋、だったー。 あの頃の私。 幼くて、遅すぎた私。 思い出は、美化されて、記憶の中で生き続ける。 もう二度と、会う事はないと思っていたのにー。
/433ページ

最初のコメントを投稿しよう!

186人が本棚に入れています
本棚に追加