花時雨

5/42
前へ
/433ページ
次へ
ふふっとふたりで顔を見合わせて笑い合って、お昼は一緒に、と約束をしてからそれぞれ仕事を再開する。 …懐かしい。本当に。 勉強も、部活も、いつも一緒で、麻鈴ちゃんになら何でも相談できた、本当に本当に仲の良かった友達。 あの日、まではー…。 ふと、思い出しそうになったあの時の痛み。 未だに引きずっている自分に苦笑いをしながら、目の前のキーボードをそっと弾いた。 もう、10年も前の事だー。 たかが初恋の、ありきたりな失恋ー。 そろそろ、麻鈴ちゃんにも笑って話せるはずだと、思っていたのに…。
/433ページ

最初のコメントを投稿しよう!

187人が本棚に入れています
本棚に追加