はじまり

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教室のドアを見ると、勢いよくドアを開けた本人がそこにいた。 ギロリとまわりを睨むと1番後ろの席まで行き、またドカッと音を立てて座った。 その後は机につっぷしたまま動かなくなった。 どうやら眠りに入ったらしい。 「忘れてたね、今日謹慎が終わる日だったんだね、、。」 「今度は何して謹慎になったんだっけ?」 「あれでしょ?教師殴ったって、、。」 「違うよ、それは一個前、今回はタバコじゃなかった?」 ヒソヒソと本人に聞こえないくらいの声量でクラスの皆が話始める。 話の元になっている 澤木 龍二 は同じクラスになってからまともに話した事が無い。 謹慎、謹慎、謹慎ばかりでろくに学校に来ないからだ。 謹慎内容に尾ひれがついて噂され、今では何で謹慎になっていたのか分からないほどだ。 高い身長。 少し長めの黒髪はおでこを全て出して後ろに流している。 細身だけど筋肉質なのは着崩した制服でも分かる。 切れ長の目は少し怖い感じだけれども、大人しくしていればかなりのイケメンだと思う。 現に怖い者知らずの派手グループ女子は澤木に近付こうとする子が多い。 田舎というか、中、高校ってなんでこう不良っぽいのがモテるわけ?
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