休息

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その腕には、真っ黒い時計のような物があった。 そう、あの日から私の腕にも奈々の腕にもあったあれだ。 どうやってもはずせなかった。 宮地さんも服の袖をまくると、やはり右手首にそれがあった。 澤木もグイっと腕を出す。 私も黙って腕を見せた。 「、、これが、何か武器になるのかな、、。」 「、、ならないしても何か武器を手に入れる為に必要になると言うことかもしれませんね。」 菅谷さんが考えこむように顎に手をあてる。 「あの「自称宇宙人」の言った事を全部信じるなら武器は買えるんだと思います。県庁所在地にあると確かに言いましたね、、。」 菅谷さんの言葉に澤木がガシガシと頭を掻いた。 「それだけじゃどこに向かえばいいか分からねーよ。県庁に行けばいいのか?それとも市役所?」 「どっちみち車で行くとしても、、危なすぎですよ、、。」 何にも解決しないまま時計は夜12時を指そうとしていた。 腕についた黒い時計みたいな腕輪を眺めながら私も溜息をついた。 せめてこの腕輪がなんなのか教えて欲しい、、。 私は腕輪をなんとなく口元に近づけもう一度溜息をついた。 「、、、、はぁ、せめて武器が売ってる場所、教えてよ、、。」 私がそう言った瞬間、腕輪がヴゥンと一瞬光り透明なモニターみたいなものが浮き出した。
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