28人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
「何これ、私知らない!」
ひっ!っと自分の腕についている黒い時計を見て菜奈が小さく悲鳴を上げた。
「菜奈?」
何言ってるんだろう?と、とりあえず離れた菜奈に右手を伸ばす。
「、、、え、、?」
ひやりとした物が背中を走った。
自分の右手首にも菜奈と同じ黒い時計がはまっていたからだ。
「菜奈、、私にも、、。」
右手首を菜奈の方に見せる。
菜奈は戸惑ったが自分だけじゃないと思ったらしく、小さく深呼吸をしてまた私にしがみついた。
「、、何だろう、、これ、、。」
「分からない、芽衣、、私怖いよ、、。」
「私も怖い、、大丈夫。一緒にいよう。」
黒い時計は外そうとしたけど継ぎ目がなくて外せない。
金属みたいにひやりとした感触がした。
よく見ると時計の文字盤には針も何もなく時計の機能を果たしていない。
周りを見ると気づいた人が私達以外にも出て来ていて、すぐにクラス中の皆が右手首の それ をガチャガチャと外そうと躍起になった。
「なんなんだよ!!外れねーよ!!」
「意味わかんねー!!」
「何?!何なのよ!これぇ!」
興奮した子達が叫びまくっている。
最初のコメントを投稿しよう!