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「、、、ぐっ!」
こみ上げてくる吐き気を無理矢理抑え込んだ。
女の子を犯して殺すの?
殺して犯すの?
「、、芽、、芽衣、、。」
菜奈もしゃがみこんで震えている。目から涙が溢れている。
たまらず私の目からも涙が溢れてくる。
女にしか分からないであろう別の恐怖感が襲ってくる。
あんなのに犯されるなんて死んでも嫌だ。
「、、誰か助けて、、、。」
菜奈が何度も呟いた。
私も心の中で強く想った。
お父さん、助けて。
お母さん、無事でいて。
涙が止まらない。
ただ怖くて。
怖くて。
怖くてたまらなかった。
私達はどうする事も出来ないまま、屋上で夕焼けに染まっていく空といつまでも街から昇る煙を見続けた。
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