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夜になってもシャッターや、防火扉からゴブリンが上の階に上がってくる事は無かった。
それでもいつ来るのか、という恐怖から残っているほとんどの生徒が屋上に移動していた。
夜は風邪が更に冷たくなり、寒い。
私は菜奈と風がなるべくあたらないように壁際にくっついて暖をとっていた。
ほとんどの生徒達は皆うなだれていた。
中には泣き続けている女子生徒に
八つ当たりする男子生徒もいた。
どうすることも出来ないこの状態に皆途方にくれていた。
「芽衣、、もう9時だね、、。、、助け、、来ないね、、。」
屋上に設置されている時計を見て菜奈が呟く。
「、、うん、、。菜奈、、寒くない?」
「大丈夫。これもあるし。」
菜奈の手には湯気のあがるコーンポタージュ缶。
屋上にある自動販売機で買った。
カバンも上着も教室に置いてきてしまった。
お昼の時に飲み物を買ったお釣りがスカートのポケットにあっただけ。
それで自販機でなんとか一本だけ買い2人で半分こしている。
その自販機も今はもう全ての押しボタンに売り切れと表示されている。
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