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「いいから早く閉めろよ!」
「そーよ!私達まで危険になるじゃない!!」
「絶対死にたくない!早く閉めて!」
私以外の生徒全員が口々に叫ぶ。
「そんな!待って!」
その瞬間思い出す。
一階のシャッターを開けられなかった自分を。
他人を助けて自分に危険が及ぶのなら助けない方が良い。
そう思った自分を。
周りが正しい。
私が同じ状況なら間違いなく 閉めろ と言うだろう。
言わなくても思うだろう。
これが先生でも閉める。
他の学年の子でも閉める。
仲の良くないクラスメイトでも閉める。
でも
菜奈なら!
「じゃあ閉めても良い!でも私は行かせて!」
「、、は?」
扉を閉めようとしている男子が手を止めて聞き返す。
「私が行ったら閉めて良い!でも無事帰ってきて扉を3回叩いたらまた開けて。」
渋った男子生徒はヤンキーグループに目を移す。
ヤンキーグループが頷くと、男子生徒は扉を開けて私に出て行くように促した。
「無事じゃなければ絶対に開けないからな!」
「うん!ありがとう!」
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