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振り向いた私の目に飛び込んできたのは助走をつけ、トイレの入口に手をかけ全力のドロップキックをかましたであろう男子生徒の姿だった。
「澤木、、龍二、、。」
無意識のうちに名前を呟いた。
「走れっ!!!!」
瞬間、澤木に手を引かれ、私と菜奈はトイレから外の廊下へ押し出された。
「菜奈!」
「芽衣!」
お互いに目で合図を交わし全力で
走り出した。
後ろから澤木が、更にその後ろからゴブリンが追いかけてくる。
「お前!そのモップ渡せ!」
澤木の声に反応し、私は走りながら素早く後ろの澤木にモップを手渡した。
「そこの教室に入れ!」
澤木の指示通りに教室に滑り込む。澤木が入って来た瞬間扉を閉めて鍵をかけた。
バンッ!!
勢いよく突っ込んできたゴブリンは扉にぶち当たるがそのまま扉を鋭い爪でガリガリと引っかく。
「こんな教室の扉、すぐに入って来ちゃうよ、、、。」
菜奈がガタガタと震えながら教室の隅に移動する。
「菜奈、、大丈夫だから!」
私は菜奈をぎゅっと抱きしめると身体を離し、澤木を見上げる。
「何をすれば良い?」
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