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死にたくない。
その気持ちから先ほどまでの恐怖が消えて変に落ち着いている自分がいる事に気づく。
「上等!手を貸せ!お前が教室真ん中で立ってあいつを引き寄せろ!」
「そんな!危ないよ!芽衣!」
「大丈夫!やるしか無い!菜奈は先生の机の裏に隠れてて!!」
不安気な顔でオロオロする菜奈に叫ぶと、菜奈は戸惑いながらも机下に隠れた。
澤木も教壇を私より少し離れた場所に移動させそこに隠れた。
これで今教室の中に立ってるのは私だけだ。
ゴブリンは真っ先に私に飛びかかってくるだろう。
教室の扉がバリバリと音を立ててゴブリンの爪によって剥がされていく。
出来た扉の隙間からゴブリンが入ってきた。
私はゴクリと唾を飲み込んだ。
ゴブリンから絶対に目を逸らさなかった。
「こっちよ!来なさいよ!殺せるもんなら殺してみなさいよ!!」
大声で叫んだ。
瞬間!
ゴブリンが私目掛けて飛びかかった。
澤木が教壇から即座に飛び出し、私を狙い飛びかかるゴブリンの真横に狙いを定め、モップをまるで野球のバットのようにフルスイングした。
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