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「だって!菜奈が!菜奈がぁっ!!」
澤木の手から逃れようと身を捩って暴れるが澤木も必死で私も抑えつける。
一緒に落下したゴブリンは無傷で、菜奈の身体の下から這い出てきた。
そして校庭にいた他のゴブリン達が一斉に菜奈を目掛けて走り出した。
「何する気!?やめてよ!!」
半狂乱で3階から叫ぶ私の声はゴブリン達には届かない。
ゴブリン達は一斉に菜奈の身体に噛み付いて、噛みちぎり、咀嚼して飲み込んでいく。
その度、反動で何度も身体が揺れる菜奈だった それ はものの数分で何も無くなった。
「嫌ぁあぁっ!!菜奈ぁぁあっ!」
澤木は黙って私を抑えつけたままだ。
「離して!1階に行って菜奈を助ける!」
「高月。」
「菜奈は死んでない!生きてるよ!助けにいかなきゃダメなの!!」
「高月!!」
大声で叫ぶ澤木の声にビクっと身体が跳ねた。瞬間澤木は私を壁に押し付け、そして荒っぽく唇を押し当てた。
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