救出

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「どうだった?」 ヤンキーグループの1人が澤木に話しかける。 「俺とこいつ以外、皆やられた。入ってきたゴブリンは窓から1階に落とした。」 そう聞くとそいつの態度が、ガラリと変わる。 「そうか、、まぁお前達だけでも無事で良かったよ。すごいなお前、どうやってゴブリンを窓から落としたんだよ!」 大袈裟なそいつの声量に他の生徒達が反応する。 「何?」 「あの2年の澤木って子。ゴブリン倒したって。」 「マジ?!じゃああいつに付いて行けば助かるんじゃない?!」 ヒソヒソと話す声。 でも確かに耳2年届いてくるそんなセリフに、私は澤木に抱えられたまま涙を流したまま動けなくなっていた。 「その子を助けたくてわざわざ3階に行ったのか?すげぇな。」 澤木も何も返事せず適当にうなづいている。 騒ぎに気付き横から派手な女子グループが人を割って入ってくる。 「澤木ー、すごいじゃん!マジカッコ良いよ!ゴブリン倒しちゃうなんてさ!」 「ほんとほんと!でも絶対戻ってくるって信じてたし!わたしら!」
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