脱出

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「、、うん、菜奈、、泣かないよ、、。がんばって、、みるよ、、。」 ふと足元に菜奈が置いて行った生徒手帳が目に入った。 私は手を伸ばしてそれを大事に自分の制服の胸ポケットに入れた。 「、、、、、んぁ、、。」 私がゴソゴソやっていたからか、澤木が気付いた。 「、、お、、おはよう、、。」 至近距離で気まずい。 私とは正反対に澤木は余裕をたっぷりともってニヤニヤ笑う。 「どーですか?男の胸の中で眠った感想はー。」 「っ!!」 私の顔が途端に真っ赤になるのが熱さで分かった。 「おいおい、照れてんの?今更?あんなに自分からしがみついて来たくせに?チュウした仲なのに~?」 「、、チュウ、、、。」 途端に昨日の事を思い出した。 激しく暴れる私を落ち着かせる為とはいえ、かなりディープで長いキスを、、、、 そして自分の記憶が正しければ あれは私のファーストキス、、、、。 赤くなった顔が更に熱を持った。 何か言ってやりたいが、自分の中に澤木に対する感謝の気持ちはあるけれど憎い気持ちなど1つも無いことに気づく。
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