脱出

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何の関係も無い私と菜奈を文字通り命を賭けて助けてくれた。 暴れる私を止めて、起きるまでずっと冷えないように抱いてくれてた。 「、、、澤木、、君。」 「おいおーい、チュウした仲じゃん、呼び捨てで言いって。」 「、、澤木。」 「何?」 「、、ありがとう、、。」 渡せるものなんて無い。 この大きな恩はとてもじゃないけど何にも代えられない。 だから、私はありったけの心を込めて澤木にお礼を言った。 分かってる。 私を茶化したのだって、きっと私を泣かせない為。 澤木の事を何にも知らないけれど、そう感じた。 澤木は私のありがとう に少し驚いて間をあけたけど笑ってうなづいてくれた。 「とりあえず降ろして良い?」 「え?」 澤木は何故かもぞもぞと足を動かしていた。 「っ!!」 お尻に何か硬いものがあたった。 途端に理解して澤木から降りた。 こればかりはジロッと澤木ん睨んでしまった。 「しょうがないだろ。こればっかりは生理現象なんだから。」 澤木はそう言うと屋上の扉の方へ移動して行く。
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