28人が本棚に入れています
本棚に追加
「何?行きたいんじゃねーの?」
澤木は真っ先にトイレに行きたいと言った男子に近付いて言う。
「、、いや、だから、、。」
澤木に言われた男子は気まずそうに口を濁らす。
「お前等も行けよ。」
女子達にも同じように言う。
「、、だから、、一緒に行こうって、、。」
澤木がジロッと睨む。
長身、切れ長の目で睨まれるとこんなに怖いんだ、、。
「随分都合が良いんだな。俺たちに先に行ってくれって?安全を確かめてくれって?ゴブリンがいたら殺せって?自分達の代わりに襲われろって?逃げるまでの時間稼ぎになってくれって?ああっ?!」
「、さ、、澤木!」
落ち着いてとばかりに私は澤木とその子達の間に入る。
「何が一緒に行こうねだよ!ふざけんなっ!!」
澤木は今にも殴りかかりそうだった。
頭にくるのも分かるけど、この子達の気持ちも分かる。
私は必死に澤木の身体を抑えた。
それしても怖っ!
こっわ!!
さっきまでの良い奴だった澤木はどこに?!
「さ、澤木。もういいからさ!トイレ行こう。」
最初のコメントを投稿しよう!