脱出

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「何?行きたいんじゃねーの?」 澤木は真っ先にトイレに行きたいと言った男子に近付いて言う。 「、、いや、だから、、。」 澤木に言われた男子は気まずそうに口を濁らす。 「お前等も行けよ。」 女子達にも同じように言う。 「、、だから、、一緒に行こうって、、。」 澤木がジロッと睨む。 長身、切れ長の目で睨まれるとこんなに怖いんだ、、。 「随分都合が良いんだな。俺たちに先に行ってくれって?安全を確かめてくれって?ゴブリンがいたら殺せって?自分達の代わりに襲われろって?逃げるまでの時間稼ぎになってくれって?ああっ?!」 「、さ、、澤木!」 落ち着いてとばかりに私は澤木とその子達の間に入る。 「何が一緒に行こうねだよ!ふざけんなっ!!」 澤木は今にも殴りかかりそうだった。 頭にくるのも分かるけど、この子達の気持ちも分かる。 私は必死に澤木の身体を抑えた。 それしても怖っ! こっわ!! さっきまでの良い奴だった澤木はどこに?! 「さ、澤木。もういいからさ!トイレ行こう。」
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