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宥めるように澤木の腕を掴み引っ張る。
澤木はしばらく動かなかったが、引っ張り続ける私に観念したのか一緒に扉を出た。
後ろから私達が見えるか見えないかギリギリと距離を取って他の子達が付いてくるのが分かった。
澤木は私の横でブスッとしたままだった。
「あんな奴ら膀胱破裂しろ。」
「それはかわいそうじゃない?まぁまぁ澤木、機嫌直してよ。」
一緒にいる私まで怖いわ。
「あ。」
「どうした?高月。」
私は通路途中にある掃除ロッカーを開けてモップを取り出した。
「いや、私のモップ澤木が持ってるから自分の分。」
私はそういうとモップを少し振り回してみた。
「モップ隊。強いよ。」
そう言うと澤木がブハッと吹き出した。
「最強だな!」
親指を突き出して私に見せてくる。
もう笑ったよ、この人。
感情に素直なんだな、、。
私達はモップを持って前、左右を一応警戒しつつ、トイレの前までこれた。
澤木は後ろから付いてきた子達も見向きもせずトイレにズカズカと入っていく。
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