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順番待ちの子達はトイレの鏡を見ながら自分の顔を触ったり、ソワソワして落ち着かないようだった。
「、えっと、、高月さん、、?先に入って?」
私の名札を確認した子が空いたトイレを勧めてきた。
「、、うん、ありがとう。」
私はお言葉に甘えてトイレに入った。
、、、こんなトイレで菜奈は、、あんな化け物に、、、。
涙が滲んでくる。
でももう私の中をめまぐるしくグルグルと回る感情は悲しいとか寂しいとかでは無かった。
髪をかきむしりたくなる程の怒りだった。
あんな化け物に!
あんな化け物に!
あんな化け物に!
菜奈は!
怒りの出口が見えず私はトイレの中から思いっきり壁を蹴った。
「きゃあっ!」
横に入っている他の子が叫んだ。
「高月さん、、?どうかした??」
外から心配してそうな声が聞こえてくる。
その言葉にハッと我に返った。
「、、、何でもない、、驚かしてごめんなさい。」
「な、なら良いんだけど。」
トイレが終わった子達からグループを作り走って屋上に帰っていく足音が聞こえる。
怖いからってついてきて、怖いからって先に帰るのか、、。
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