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「澤木!」
離れる澤木を無意識に引っ張ってしまった。
「!??」
澤木は驚いて私を見る。
「1人で前行かないで!」
モップを握り閉めて私は澤木の横に並んだ。
それを見た澤木も黙って私の横で歩く。
私はただ安全な後ろを歩いているのは嫌だった。
澤木にあの子たちと同じに見られたくなかった。
不自然と思われないように、必死だった。
屋上に繋がる階段を登りながら私は溜息をついた。
「屋上に戻ったらまた助けを待つ1日だね、ああ、お腹すいたなぁ。」
「俺も腹減ったわ、いつもは朝からかなり食う方だから辛いわ!」
「助け、、来るかなぁ、、。」
「高月。」
「?」
澤木は屋上の扉を開けようとした私の身体をぐいっと自分の方に引っ張った。
ち、、近い!
ギリギリまで顔を近づける澤木。
制服のポケットから何かを取り出して私の顔の前に出した。
「、、、鍵?」
「俺のバイクの鍵。」
そう言った澤木の顔が真剣そのものになる。これを出したということは、そうゆうことだ。
「ここから出る。」
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