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「出る、、出るってどうやって、、。」
2階から下はゴブリンがウジャウジャいるだろうし、とてもじゃないけど行く気になれない。
「屋上の非常階段使って下に降りる。校舎裏に行ければバイクで出れる。」
「非常階段、、。」
非常用の屋上外から1階へと続くむき出しの螺旋階段。入り口は生徒がさぼる場所にならないように鍵をかけてあるはず。
「ん。」
澤木がもう一個鍵を胸ポケットから出した。
「非常階段の合鍵。さぼる場所用に勝手に前に作った。」
「、、、、、。」
さすが普段からヤンチャしてる奴なだけある。
呆れてしまったけど、今はすごくありがたい。
確かにあれを使えば下まではすぐに降りられると思うけど。
でもバイクの場所に行くまでにゴブリンに見つかったら?
それに、、、
「バイクは、2人乗り、、?」
「ああ、大型だから。」
「2人、、しか乗れないよね、、。」
私は俯いてしまった。
そうゆうことなのだ。2人しか乗れない。澤木は私と2人だけが助かろうと考えてくれてるんだ。
私の事を考えてくれてるのは嬉しいけど、、屋上には大勢の皆がいる。
助けがくるとは限らない。
食べるものも、無い。
「あいつらは別に関係ないだろ?」
澤木が私の考えを当てた。
「トイレに行くまでを見ただろ?自分達さえ良ければいいって奴等を俺別に命かけて助けたいとは思わない。」
「、、、、。」
私もそう思う。
助かりたい。
自分だけでも安全な場所に逃げたい、、、。
でも、、、、。
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