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私の叫びを無視し、バイクは走り出した。
「くっそ!あいつら、、!」
そう言った澤木と私は次の瞬間言葉を失った。
学校から脱出しようとした2人の乗ったバイクにゴブリンが飛びかかるのが見えたからだ。
「っ!!あっ!」
「嫌ぁあぁ!!」
バイクは横転し、裏門角に派手にぶつかった。
乗っていた女子は投げ出され地面に身体を打ちつけ、動けないようだった。
運転をしていた3年の喉元にゴブリンが噛み付いているのが分かった。赤い血を散らしながらもがいているがすぐにダラリと動かなくなった。
ゴブリンは近くの女子に狙いを変えようとしていた。
「嫌ぁぁあっ!!嫌ぁあっ!くんな!きめーんだよ!化け物がぁあ!!」
金切り声をヒステリックに上げる女子は逃げる事が出来ない。
メットをしているから表情までは見えないけれど、恐怖しているに違いなかった。
「あ、、あ、、。」
私は恐怖で目を瞑ろうとした、が澤木に手を引っ張られその場から逃げ出した。
「高月、こっちだ!」
澤木はそう言うと今度は教員用の駐車場の方に向かい始めた。
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