脱出

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「どこもかしこも怪物だらけだか。」 ゴブリンが少しでも少なく見える道を選びながら澤木は車を走らせていく。 人気が無い道の方がゴブリンが少なく感じた。 車に気づき向かってくるゴブリンもいるが車のスピードには追いつけないようだった。 私は車の窓から少しでも外の現状を知ろうと目を凝らしていた。 普段人が沢山いるであろう大通りなどにはゴブリン達がゆっくり移動をしながら人を探しているのか、せわしなく目を泳がせていた。 誰も外にいる人は見えないが、住宅2階の窓から外を伺っている人達を車の窓から何度も確認した。 自分達以外にも生きてる人達がいるというのが分かっただけでも嬉しかった。 「みんな建物内に避難してる。外に出られないから、、。」 「高月、家族は?」 澤木に言われ、携帯をもう一度手に取り電源を入れてみるがやはり反応しない。 「、、うちはお父さんは車で会社に行ってたと思うし、お母さんは家にいたと思う、、。買い物とかに出てなかったと良いけど、、、。」 「やっぱり俺の家行く前に高月ん家行こう。ゴブリンもこのくらいだったら大丈夫だと思うから。」
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