脱出

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その瞬間。 コンコンコン!! 車の窓を外から叩かれる音に反応して澤木と私はバッ!っと距離を取った。 「な、、何?」 動悸が治まらず赤い顔をした私の横の窓に、スーツ姿のメガネをかけた男性がいた。 「菅谷!!」 「え??」 澤木は外にいる男性に向けて叫ぶと車のドアを開けて、飛び出す 。 そのスーツ姿の男性、、菅谷さんという人と澤木はどうやら知り合いらしく車の外で澤木と話している。 澤木と同じくらいの長身。 20代後半くらいだろうか? グレーの見るからに高級そうなスーツに高級そうな革靴。 時計、メガネ。 ドラマに出てくる弁護士俳優みたいに整った顔立ち髪もセットされている。 これが大人の男性か、、。 私も助手席のシートベルトを外すと、ドアを開けて外に出た。 「あ、、あの、、。」 さっきの事も見られていたし、恥ずかしい。 何と声をかけたら良いのか分からない。 そんな恥ずかしがる私と対照的に、澤木はこっちに来いとばかりに私に手招きをする。 私は手招きする澤木の横に移動し、軽くその菅谷さんという人に会釈をした。
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