休息

3/35
前へ
/131ページ
次へ
「、、美味しい、、。」 気付けばずっと喉が渇いていた。お腹もペコペコだ。 ほんのりとお砂糖が効いてる紅茶がすごく、すごく美味しく感じた。 私はゴクゴクと紅茶を飲んだ。 横にいる澤木はとうに一杯目を飲み干し二杯目も飲み干そうとしていた。 「宮地さん、俺もこいつも何も食ってないんだ。なんかある?」 澤木が宮地さんにそう言うと、宮地さんはキッチンからラップをしたお皿を持ってきた。 「これから夕飯作るから、とりあえずこれでつないでくれるかしら?」 宮地さんが運んできたお皿にはおにぎりが4個並んでいた。 澤木と私はそのおにぎりを夢中で食べ始めた。 昨日の昼からほとんど何も口にしていなかった私達は無言でおにぎりを頬張る。 美味しい。 本当に美味しい。 「、、ふ、、う、、。」 「あらあら、高月さん大丈夫?」 気付けば私は食べながら小さな子供のように泣いてしまっていた。 おにぎりを頬張りながらボロボロと涙を流す私を心配した宮地さんが、よしよしと抱きしめた。 「ずっと怖かったんでしょう。ここは大丈夫よ。安心して?」 まるでお母さんのような宮地さんに抱きしめられて私はまた泣いた。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加