休息

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泣き止まない私を宮地さんはずっと頭を撫でてなだめてくれた。 ようやく落ち着いた私に優しく笑いながら少し休みなさい、とすすめてくれた。 「龍二さん、高月さんをお願い出来るかしら?」 「おー、高月。こっちこい。」 澤木が私の腕を引いてスタッフルームから出ようとする。 「あ、そうそう龍二さん。」 「何?宮地さん。」 「いつのまにそんなかわいい彼女が出来たの?」 「っ!」 「!」 私は自分の顔が赤くなるのを感じた。 更に菅谷さんが追い打ちをかける。 「夕飯の時にお呼びにいきますので、今度はお気をつけて。」 その言葉に澤木はジロリと菅谷さんを睨んで部屋からでた。 「あらあら。」 宮地さんはニッコリと笑いながら夕飯の支度にとりかかった。 澤木は私の腕を引っ張り、二階へと向かった。 エレベーターがあったが、澤木は階段を登っていく。 今度はお気をつけて。 車の中の事を見られていたから、意味が分かる。 は、恥ずかしい! 澤木に掴まれている腕が熱く感じる。あんな事があればどうしても意識してしまう。 二階に上がると、雰囲気がガラリと変わった。
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