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「梨緒にご褒美をあげなければいけませんね。私の指と舌でイかせてあげましょう…」
「やだっ!サイファ、ご褒美なんていらないっ!もう、やぁっ!!」
サイファの唇が突起を包むと、ちゅうっと吸い上げる。
「やぁあっ!!…サイファっ…やめっ…」
舐める、吸い上げる、指を挿入する、あらゆる手を尽くしサイファが私を攻める。
「梨緒、我慢しないでイキなさい。それとも…やはり私自身が欲しいですか?」
「違っ!…はぁっ…やめっ…もう…ダメっ!!」
サイファの激しい舌使いで結局私はイカされてしまう。
ビクビクと身体を震わせ、何も見えない事への恐怖が一層増した。
「梨緒…怯えないで下さい。貴女を悦ばせたくて…、怒っていますか?」
「お願い…もう、外して…。」
サイファがアイマスクを外す。
部屋の明かりが眩し過ぎてまた目を閉じた。
腕の拘束を解かれ、無言で寝室へ行く。
「梨緒…怒らないで…、お願いです。」
「サイファなんて嫌い。」
タオルケットを頭から被った。
「梨緒っ!貴女が寂しいと思って私は…。」
「出てって!!」
「……わかりました。やはり私は貴女の元を去るしかないのですね…。」
またそんな事言って…。
「ずるいよサイファ!!」
返事がない。
頭からタオルケットを剥がしサイファを探す。
「サイファ?」
リビングでサイファが膝を抱えている。
「私の中に…梨緒を奪いたい悪魔が増殖しているのです。自分では止められないのです。こんなに梨緒を愛しているのに…私は…梨緒を傷つける事しか出来ません。」
「……気持ちは嬉しいけど、私は…」
「わかっています。貴女が愛しているのはあの男という事は…。でも諦める事が出来ないのです。ダメだと心ではわかっていても…貴女が欲しくて堪らない。もう…消えて無くなってしまいたい。」
「サイファ…私も悪いの。サイファが男の人だってわかってるのに、無防備過ぎた。今日の事は忘れるから…もう、二度としないって約束して?」
「出来ません…。」
サイファが立ち上がると私のおでこに指をあて、何か呟いた。
そして私は意識を手放した。
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