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サイファを支えてソファまで行くと、サイファの顔が真っ青で鳥肌が立った。
「サイファ…どうしたら回復するの?ねぇ、サイファ!!」
サイファの震える指先が頬に触れる。
「梨緒…心配してくれるのですか?」
「当たり前でしょ!!」
「貴女にとって…私は必要な存在でしょうか?」
サイファの指先が頬から唇に触れた。
震えながら唇の輪郭を撫でるサイファが今にも消えてなくなりそうな気がした。
「サイファ、私に何ができるの?どうしたら回復するの?」
「……」
目を閉じたサイファの手が力無くパタリとソファに倒れた。
「サイファ!!お願いっ!目を開けて!!」
必死になってサイファに抱きつく。
サイファの身体は驚くほど冷たくて…まるで死んでしまったみたいだ。
「やだっ!サイファ、死なないで!!私にはサイファが必要だよ!だから死なないで!!」
「…梨緒。泣かないで…」
「どうしたらいいの?教えてサイファ!!」
「愛する堕天使ジェイを…裏切れますか?」
「っ!!」
どういう意味…?
眉を寄せてサイファを見つめる。
「まずは口づけで…私を癒して下さい…。それで少しだけ回復するので。その後…貴女を抱かせて下さい…。」
「っ!そんな…」
私を見つめるサイファの目が閉じてしまう。
「出来ない…でしょう?ならば私を…このまま…逝かせて下さい…」
「くっ、口づけだけじゃ…ダメ?」
サイファは返事をしない。
でも少しだけでも回復するなら!!
私はサイファのおでこに唇を寄せた。
『お願いっ!!サイファ、回復してっ!!』
心の中で強く願いながら、頬にも、瞼にも口づけをした。
サイファの指が私の頬に触れ、私の唇をサイファの唇に誘導されてしまう。
「っ…ん!!…」
サイファの舌が私の口内で私の舌を探し、見つけると強く絡めとられる。
激しく深い口づけに、自分を忘れてしまいそうになる。
「…っ…んっ…」
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