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あの記憶で見たカインと同じ顔のルイがニヤリと笑みを浮かべる。
「会ってみたいんだよね、母様の魂が入ってる人間の女の子に。」
フッと笑いルイから手を離す。
「梨緒はキョウカの魂じゃない。」
「?そうなの?…なーんだ。でも梨緒ちゃん、覚えとくよ。母様の魂に似てる事は似てるんだもんね。」
キッとルイを睨みつける。
「諦めろ。梨緒は俺のモノだ。」
「まだ魂奪ってないのに?」
魂…そんなに大事な事なのか?
「奪わせない、誰にも。梨緒も、梨緒の魂も。梨緒には命有る限り生きる権利がある。それを邪魔するヤツは俺が殺す。」
ルイがクスリと笑う。
「おお、怖っ。ま、頑張ってー。相談があったら聞いてあげるからさ。」
ルイは漆黒の翼を広げると空へと飛び去って行った。
ジェイはその姿を見つめ歩き出した。
「梨緒に…何か贈る約束してたな。」
ジェイは魔界で石を探していた。
梨緒の喜んだ顔が思い出されて顔が綻ぶ。
「あんなに喜ぶんだからな、なんかすげー石を見つけて驚かせてやるか…」
暫く歩き回るが、見つけられずウロウロしていると何軒かの小屋が並んでいた。
小屋の前には本や石が大量に並べられていた。
その並べられた石を念入りに見つめていると小屋から年老いた魔女が現れた。
「どんな石探してんだい?」
「あ?んー、すげーヤツ。」
「ほほっ、妻に贈るのかね?」
一瞬、妻と言う言葉に胸が熱くなった。
「妻にしたい女に渡すから、すげーヤツがいい。」
「ほんならアレがいいじゃろう。待ってな。」
足を引きづりながら魔女が小屋に戻って行った。
「ほれ、これなら価値が高いわ。ま、値段も高いんじゃがな。」
魔女が箱から取り出した石は明らかに高そうだ。
「この大きさ、普通じゃ手に入らんぞ。どうじゃ?」
「これ…ダイヤか?」
「その通り!永遠の愛と言えばダイヤじゃろう?」
ジェイの親指ほどのダイヤモンドに目を奪われる。
「すげー、こんなデカイの初めて見た…」
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