その二

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ているのだという風に悪態をついた。 「うむ、入れ」  扉を開けて部屋に入ると、立派なひげを蓄えたアスコルト長が立派な装飾のついた正装で待っていた。ぷかぷかとパイプをふかしていて、その香りが部屋に広がっていた。  ユークは震える手で敬礼し、アスコルト長は答礼して言った。 「うむ、楽にしてよい」  隊長はその通りにしたけれど、ユークにできるはずはなかった。その様子にアスコルト長は首を傾げながらも、尋ねることはしなかった。 「ああ、君はもうよい。ご苦労であった、こんな早朝から」  隊長が出ていった。部屋にはユーク一人だけになる。出ていく間際、隊長は彼の肩に手を置き、神妙な顔をしていった。だから余計に不安にもなる。 「さて、適当な話をしても無駄であるから、さっそく本題へと入らせてもらおう」  あの丘でのことではないようにと、ユークはカラカコスとエングリスの神にただ祈る。二柱の神の力ならば、きっと大丈夫であると信じるしかなかった。  けれどそんな罰当たりなことをしてしまったのが良くなかった。 「私と一緒にウィンデイサー城へと行ってもらう」
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