2人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
その国、エングリスは王を持つから王国であり、そして長い間他国との戦争を繰り広げてきた。
エングリスが特別野蛮な国であるわけではなく、エングリスを含む大州、エルピスすべての国が戦いを暮らしの一つとしていた。そうして様々なことが進んでいった。
けれど長い年月で人が穏やかさを覚えていくと、やがて戦争は落ち着きを見せ始め、少なくなっていった。小競り合いはあるものの、国の存亡をかけたような大規模なものは稀になった。
それはエングリスも例外ではなく、たまに戦争は起こるものの、闘争は血を流すものからそうでないものへとシフトしていった。その華やかな流れを国も奨励し、スポーツや芸術などで他国と競うようになった。
エルピスは現在、比較的穏やかな、赤子があやされているような歴史を刻んでいる。
これはみなさんの世界とよく似た、けれど少し違う世界のお話。
最初のコメントを投稿しよう!