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「これでよかったでしょうか?」
「ファルビュラス(素晴らしい)!」
褒めてもらえばユークもすごく嬉しくなる。うきうき気分で降り、ぽんぽんと労うためにエクルスの首筋を叩いた。大分息も整ってきたようで、ぶるると大きく息を吐けばもう元に戻った。
「姫さま、今のは一体……」
「面白いでしょ。私、アスコルトの丘でこれを見たから、彼を呼んだのよ」
「これは、絶対にお叱りを受けますよっ」
侍女が声を荒げれば、姫は眉をひそめた。そのやりとりの間に入ることはできないから、ユークと牧夫はただ眺める。
「なんでよ、どうして怒られなくちゃならないのよ」
「このような騎乗法、あるわけがないからです」
「あるじゃない。今ここでユークがやったわ」
まさかそのように姫から呼ばれるとは思ってもいなくて、彼は少し照れてしまう。
「そういうことを言っているわけではなく、姫さまが嗤われてしまいます。ただでさえ、専属騎手にカラカコスの……あっ」
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