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優に会いたい。
その一心で、先生に『体調が悪い』と嘘をついて、今日は観光を休むと言った。
もちろん それは、船の中にいるために。観光に行ってしまえば、船を離れることになる。船内に残るためには、それしか思い付かなかった。
"誰にも言うな"と優はメールで言っていた。野城にも言うなと書いてあった。
でも、ただ一人。
結局、野城くんに打ち明けた。
それは、盗聴器のことを見抜いてくれたりして、心強くなったから。いまは頼るしかないと本気で思ったから。優が嫌な気持ちになるかもしれないけど。
だけど、あの人-…咲に、野城くんは目をつけられたんだ。
きっと わかったんだ。
犯人にとって、野城くんは面倒な存在だと。ちょっと頭が冴えてるからと。
私が野城くんに打ち明けてしまったがために、野城くんまで危険な目に晒されてしまったんだ・・・
優を助けたい。
でも これ以上、どうすれば良いのか分からない。
盗聴器はゴミ箱に捨てたけど、まだ見張られてるかもしれない。機械のことなんて、よく仕組みが分からない。捨てたからといって、解決できたかも私には分からない。
私には何ができるのだろう。どうすれば良いんだろう。
そもそも、優の身に、何が行っているのかさえ、わからないのに。
誰が 何のために優を?
今は ただの修学旅行なのに・・・
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