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ヴァリアントが死亡した場合、体内のVも死滅して元の人間の遺体だけが残る。
緑の体色が薄れていき、肌色に戻り、人間の姿を現す。
何ということはない。
このヴァリアントも、ごく普通の青年だったのだ。
何の罪を犯したわけでもないだろうに、
今こうして人の手によって、
その命を絶たれたのだ。
意識そのものは支配されていたかもしれないが、
肉体を殺したのは、
隼だ。
そう頭で考えた瞬間、薄れていた隼自身の人格が戻ってくる。
急に震えだした腕を、青年の心臓部から引き抜く。
気づけば自分の身体も元の身体に戻っていた。
それは味わったことのない感覚。
記憶が無いからなどではない。
まず誰しもが経験しないであろう感覚。
「俺はこの腕を……あの人に刺したのか…」
見たことの無いような量の血にまみれた右腕を左手で掴みながら、隼は跪いた。
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