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ーーーーφ地区J地点
『三影 真次』は、また悠然と歩き出した。
猫の血の付いた靴の裏を地面に擦って、ハットを深く被り直す。
三影の10m程後方には『五つの死体』が転がっている。
一つは腹がへしゃげた猫の死体。
あとの四つは、心臓にナイフで刺された痕が残っている子供の死体だ。
四人それぞれの四肢は残っている。
ただ、仮にその子供の親が死体を見たとして、即座に我が子を判別するのは少し困難かもしれない。
なぜならその四つの死体は全て、
“皮膚を全て剥がれた状態”で地面に平伏していたからだ。
そして三影はその剥いだ皮膚を傷つかぬようにカプセルにしまったのだ。
子供達の眼球は未だ濡れていた。
幼いながらに、三影の殺気を感じとったからだろう。
そして死ぬ間際に、この男に猫を預けに行った事を心底後悔したに違いない。
だが、
“縛りからの解放”
を貴ぶ三影からすれば、
恐怖に顔を歪ませる子供達を『殺害』という方法で楽にさせてやったことに過ぎなかった。
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