7人が本棚に入れています
本棚に追加
高速道路の第1ゲートでは隼の予想通り、ネオン版にVへの警戒が掲示されていた。
「V……」
隼が静かにそう呟いて、ネオン板を眺めていると、
警備員が、第2ゲートと繋がったままの電話を片手に話しかけてきた。
「お客さん、今日は警告も出てますし、早めにお帰りになられた方がいいですよ。
それに、ここから先がVの検出された区域。
なんでも、ニュースによれば今日は本当に出たんだとか……。
料金は結構ですので、引き返していった方が……」
その時だった。
警備員は耳を咄嗟に塞ぎ、隼も、何が起こった?というふうに目を見開く。
空気を震わせるような爆発音が、辺りに響いたのだ。
爆源地は明らかだった。
隼の目にも炎と煙がはっきり写り、
その爆源地と繋がっていた電話のスピーカーからも同じ音が響いたからだ。
「第2ゲート!どうした!何が!」
慌てる警備員を横目に、
隼は料金式のゲートを開け、ハンドルを握る。
特に何か考えがあるわけでもなかった。
勇敢な意思や正義感で動いたわけでもなく、
ただ隼は導かれるように、第2ゲートへとバイクを走らせていたーー
最初のコメントを投稿しよう!