many times over

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呆れ顔のマルコシアスが深いため息をつく。 「梨緒さんの命を助ければ…それ相応の何かを失います。」 「…構わない。梨緒が生きれるなら…。」 「…ジェイさん!!貴方は自分の命を失っても梨緒さんの命を助けたいのですか?貴方が消えたら梨緒さんはどうなるんですか…。」 マルコシアスの言葉にジェイは目を伏せた。 「梨緒を助ければ…もう一緒には過ごせないって事か…。なるほどね。」 深く息を吐くと、ジェイはBARカウンターに向かった。 「マッカラン、ダブルでくれ。」 バーテンダーからグラスを受け取ると、ぼんやりとした薄明かりの中のマルコシアスに視線を移す。 ゆっくりマルコシアスの待つ席に戻ると、グラスのウイスキーに口をつけた。 「あんた、俺になんか隠してない?」 「っ!!」 マルコシアスの焦った顔を見てジェイは確信した。 「アイツ、生きてんだな。」 「…すみません…黙っていて…」 ふぅ、と息を吐くと小さく首を振った。 「なら、梨緒は一人にはならないな。」 「っ!!…ジェイさん?貴方、本気ですか?」 柔らかな笑みを浮かべるとジェイはグラスのウイスキーを飲み干した。 「俺さー、本気で梨緒の事愛してるんだ。だから、梨緒の死を待つより、俺に出来る他の事がないか考えた訳よ。」 マルコシアスが首を振りながらジェイの手を握った。 「ダメです!!そんな事、梨緒さんは望みません!!貴方の命を失ってまで…彼女が生きたいと願うと思いますか?」 ジェイが薄暗い天井を眺めながら何かを堪えているようにマルコシアスの目には映った。 「ジェイさん、貴方は梨緒さんを幸せにすると約束したはずです。これ以上彼女を泣かせないで下さい。仮にも貴方は堕天使の頂点に立つ者なんですよ、人間の生死に関わり命を失うなど、許しません。」 天井を見上げていたジェイがゆっくりマルコシアスを見据える。 マルコシアスを見据えた目が大きく見開き、マルコシアスは後ろを振り返る。 「なぜここにっ!!」
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