決別と責任

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とある日、猫の鳴き声で目が覚めました 滅多に鳴くことのない灰色猫が、横たわったまま鳴き止まぬ姿を前に、胸に渦巻く嫌な予感… あのときの感覚は、今でも身体に刻まれています 眼を凝らして見ると、貫通しているように見える傷が、右の前足にありました 血が滲み、あらぬ方向へ曲がっているようにも見えるので、骨折の可能性も脳裏を過ります 動物病院へ直行しました 人為的なものか偶発的なものかは定かではありませんでしたが、完治する可能性が低いという説明をする獣医… 足の損失だけは回避してあげたかった …一年か、それ以上だったかもしれません 回復の兆しもないまま、入院の日数だけが嵩んでいきます 猫の負担を考慮すると、最早切断するしか選択肢はありませんでした 走ることすら叶わなくなった愛猫… 焦燥していたのは飼い主だけでした 頼もしさと逞しさに磨きがかかり、行動範囲は更に拡大し… その分全身筋肉の塊になり、毛並みは悪くなり、顔も少々不細工になりましたが…w 大きな代償を払っても、それでも強く生きるあの子を、私は誇りに思います(・-・)
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