51人が本棚に入れています
本棚に追加
それに1回だけ遊園地に連れていってくれたことがあったな。
どうしても行きたいんだと一生のお願いをして、なんとか連れていってもらった生まれて初めての遊園地は、最高に楽しかった。
嫌がっていたアイツも、最後は笑ってくれていて、それが何より嬉しかった。
初めて見たアイツの笑顔はとても眩しくて、その思い出は俺の宝物だ。
高い場所から見える変わっていく空。
ゆっくりと、だけど確実に変わっていく空に、何故か涙が零れる。
頬を伝う涙に恐る恐る指で触れた。
涙は温くて、それは自分が生きているからだと気付く。
まさかまだ自分が涙を流せるなんて思ってもみなかった。
最初のコメントを投稿しよう!