美しくもくそったれな世界へ、さよならを

いつか、アイツと２人で死ねたら永遠に一緒にいられるんじゃないかって思ったことがあった。

でも結局、そんなことはできなかった。

あんな綺麗な人間の命を、俺が奪っていいわけがない。

それに２人で死んだところで、俺の行く末は地獄でアイツは天国だろうし。

それに、アイツは真っ黒な俺なんかじゃ壊せないだろう。

アイツはいつも俺を抱く時、誰かを見ていた。

きっと、すごく大切で大好きな人なんだろう。

でも、その恋は叶わなくて、俺と同じだった。

その人になら、きっと、アイツを壊せるはず。