名前も知らないアイツ

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  汚れを知らないような瞳をしているコイツを汚したら、このやり場のない不完全燃焼の恋情をどうにかしてくれるだろうか。 そう縋りつく思いでアイツをホテルに連れ込み、身体の中で暴れまくっていた劣情をぶつけた。 結果、親友への恋情を少しだけ忘れることができた。 身体の相性がとても良かったのだ。 顔以外は紫や青や黄色の痣だらけなのに全然気にならず、醜いなんて微塵も思わなかった。 処女じゃないと分かってもアイツの白さが変わることはなく、俺色に染まったらどうなるんだろう、って征服欲をくすぐられ、無意識に口角が上がっていたことに驚いたのはもう大分前の話だ。
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